産総研、発電型のバイオ炭生産技術で循環型社会に貢献を
- nakamorimasashige

- 7月27日
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産業技術総合研究所(以下、産総研)は2024年10月31日、バイオ炭の生産性を高くすると同時に、排熱を利用して発電するコプロダクションシステムの設計コンセプトを確立したことを発表しました。熱海マリンサービスおよび未来創造部は、自社で開発・特許出願中の「未来ロケットカーボナイザー」を用いて、同システム開発に技術協力しています。
同システムは、熱電変換ユニットと断熱材を組み合わせて炭化炉内の熱を適切に管理することで、これまで炭化時に大気中に排出されていた排熱を有効利用するものです。今回、4トントラックで運搬可能な大きさである、縦・横・高さが各2メートルの炭化炉にてバイオ炭の生産性と発電量を検証しました。
検証の結果、炭化炉の表面のうち2平方メートルに熱電変換ユニットを設置し、残りの部分に断熱材を使用して保温することで、バイオ炭の生産性と発電量が最適となることが見出されました。
バイオマス原料として乾燥したミズナラ1093キログラムを使用した場合、断熱構造を持たない小型炭化炉ではCO2固定比率が77.0%であったのに対し、本技術の炭化炉では83.8%と、バイオ炭の生産性が向上していることが確認されています。
また、炭化プロセス中に0.92kWの連続発電が可能であることも示されました。これは100W型のLED電球を約90個同時に点灯したり、空気供給用ブロアを2~3台稼働したりできる電力量になります。
トラックで運搬できること、一定量の発電が可能なことにより、系統電源が利用できない山間部での炭化炉導入が可能となります。そのため、バイオ炭を地産地消することで、地域の未利用バイオマスを活用した分散型エネルギー生産システムの構築につながることが期待されます。
産総研では、今後さらなる高性能化を目指すとともに、2030年の社会実装に向けて、実証実験や環境への総合的な貢献度評価を進めるとしており、未来ロケットカーボナイザーによる技術協力も進めていきます。
<参照情報>
(1) プレスリリース
ネイチャーポジティブな循環型社会を創る!発電型のバイオ炭生産技術




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