ケニアのBIOSORRA社は、手頃な価格で耐久性がある持続可能なバイオ炭を生産し、土壌の改良を通じてグローバルサウスの気候正義の問題と闘うことを使命としています。
BIOSORRA社はIESEビジネススクールで出会ったイネス・セラ・バウセルズ(Inés Serra Baucells)とカルラ・エスコベド・ジャリフェ(Carla Escobedo Jalife)によって創設されました。二人はナイロビのストラスモア・ビジネススクールでの授業から社会的包摂と気候支援の必要性を学び、それが会社を設立する動機となりました。
同社は、自社所有の特許技術を持つアフリカ最大のバイオ炭製造施設を有しています。2021年にイーロン・マスクが出資する炭素除去コンテスト(学生部門)で受賞し、25万米ドルを獲得したことが転機となりました。2023年には国際バイオ炭イニシアティブ(International Biochar Initiative)のバイオ炭アカデミーに参加、知識とネットワークの拡大に対する支援を得ています。
また、バイオ炭コミュニティ以外とのパートナーシップ構築も重視しています。ケニアの農業大臣との関係強化や、Circular Bionutrient Economy Network、Nairobi Climate Networkのメンバーとして活動、マッキンゼー・アンド・カンパニーとの提携を通じて政策議論に積極的に参加しています。
同社は、2022年にガーナとケニアの農家を対象に試験を開始、独自のハードテック熱分解装置を設計・試験・特許取得することで成功を築きました。自社開発の機械はコスト効率が高く導入が容易で、業務全般において地元コミュニティを継続的に関与させ、そのプロセスから学び取ることでモデルを築いています。
地元コミュニティへの貢献としては、ケニアのティカにある主要施設を通じて地元雇用を創出し、循環型経済を実現しています。農園エコビレッジや専用学校を併設し、コミュニティの生活基盤を支えています。環境目標としては、2030年までに少なくとも年間1メガトンの二酸化炭素を除去することを目指しており、150基以上の製炭炉を運用しています。
教育と啓蒙活動においては、「Biochar Bora」というバイオ炭製品を通じて最高品質レベルへの変革と教育を行い、世界の脱炭素化に貢献することを目指しています。将来の展望としては、国内外での事業拡大、新製品の発売、データ分析ソフトウェアの開発を含む成長戦略を推進しています。
参考記事
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