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バイオ炭の農地施用による炭素貯留量を簡便に算出する手法を開発― バイオ炭の普及促進と炭素クレジット創出への貢献を期待 ―


農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は2025年3月12日、秋田県立大学、立命館大学、和歌山県工業技術センターと共同で、バイオ炭を農地に施用した際の炭素貯留量を簡易かつ正確に算出できる新たな手法を開発したと発表しました。


この手法は、日本産業規格(JIS M 8812)の工業分析値を活用し、日本産業規格(JIS M 8812)の分析値を活用し、炭化温度および土壌炭素貯留量を算出するものです。これにより、原料の種類にかかわらず、農地に施用したバイオ炭の炭素貯留量を、従来よりも低コストで簡便かつ高精度に算出できるようになりました。


この成果は、バイオ炭を活用した温室効果ガスの削減効果の「見える化」を可能にし、炭素クレジット制度への参入障壁を下げることで、バイオ炭の利活用拡大に大きく貢献するものです。土壌の炭素貯留は気候変動の緩和に資するだけでなく、土壌の改良や農地の生産性向上にもつながるため、環境と農業の双方にメリットがあります。


さらに本手法は、炭に関する産業規格が存在する国では、既存の分析データを活用して炭化温度や有機炭素含有率、100年後の炭素残存率を推定することが可能です。また、規格のない国でも、日本のJISに準拠した分析を導入することで、一定の精度で品質評価が行えます。


国内では、農業残渣など未利用資源の活用が期待されており、アジア地域における多様なバイオマス資源にも応用可能です。持続可能な資源循環や、地域単位での温室効果ガス削減の加速にも寄与すると見込まれています。


ただし、今回開発された算出手法は、現時点ではJ-クレジット制度における正式な方法論には採用されていません。今後は、木質・竹以外の原料に関するデータの蓄積や、制度化に向けた議論と国際的な認証取得が重要となります。


<参照情報>

(研究成果) バイオ炭の農地施用による炭素貯留量を簡便に算出する手法を開発

- バイオ炭の普及促進と炭素クレジット創出への貢献が期待 -

 
 
 

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