Evac、船上で廃棄物をバイオ炭化―欧州の循環型ソリューションに選出
- nakamorimasashige
- 7月22日
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水・廃棄物の循環型ソリューションを海上・陸上で展開するグローバル企業Evac Groupは2024年4月15日、フィンランドのイノベーションファンド「Sitra」が発表した欧州の循環型ソリューションを牽引する優れた企業30社の1つに選出されたことを発表しました。
これは、生物多様性の喪失に対処しながら新たなビジネスを生み出す循環型ビジネスモデルの実践例を紹介するもので、Evac Groupは、船舶上で発生する廃棄物を船上でバイオ炭に変換するという革新的な取り組みが評価されました。
同社では、船舶上で発生する有機廃棄物を処理する「Evac HydroTreat®」と呼ばれる新しいシステムを開発・提供しています。このシステムは、生ごみや汚泥といった船舶上で発生する有機廃棄物の処理について、従来の焼却方法に代わって、加水熱炭化(HTC)という技術を用いて廃棄物を高温で加熱することで、船上でバイオ炭を生成するというものです。
船舶上では、大量の廃棄物の保管や陸揚げが面倒なため、船上での処理が魅力的な選択肢となっています。このシステムを利用することで、生ごみや汚泥など水分を含んだ有機廃棄物の量を最大90%削減することができ、年間のCO2排出量も80%以上削減できるとしています。プラスチックごみを海上に流したり、有害なガスを大気や海洋に放出したりすることもない、より安全で持続可能な方法で処理することができるとしています。
Sitraのグローバルコラボレーションおよび持続可能性ソリューション担当の上級リーダーであるリク・シネルヴォ氏は次のように語っています。「廃棄物の管理は、ほかの循環型への取り組みがうまくいかなかった場合に取り組むようなものとして、軽視されがちです。しかし、汚泥などの廃棄物は避けられるものではなく、こうした廃棄物の処理経路から多くの価値あるものを引き出そうとする取り組みは非常に重要です」
また、Evac Groupのビョルン・ウルブロCEOは、「海運業界の循環型経済への移行を後押しする当社の取り組みが評価されたことは、光栄に思うと同時に感謝しています。Evac HydroTreatを設置すれば、現在だけでなく将来の規制にも対応できるように、あらかじめ備えることができます。また、陸上でのHydroTreatに急速に関心が高まっていることにも、大いに期待を寄せています」と語っています。
<参照情報>
Evac’s HTC technology listed among the top 30 circular innovations in Europe
「Evac HydroTreat」
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