国際組織IBIと英コンサルHAMERKOP、バイオ炭による炭素除去のマニュアルを共同発行
- nakamorimasashige
- 2月17日
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バイオ炭に関する国際組織のInternational Biochar Initiative(IBI)と社会的・環境的影響をもたらすプロジェクトの設計等を支援する英コンサルタント会社HAMERKOPは2024年6月27日、共同で作成したBiochar Manual for Carbon Removal(仮訳:バイオ炭による炭素除去マニュアル)を発表しました。これは、バイオ炭、炭素除去の計画、バイオ炭による炭素除去プロジェクトの作成方法について包括的に紹介するものであり、以下に関して詳しく説明しています。
バイオ炭の特徴
バイオ炭プロジェクトの設計・認証に関するガイダンス(技術と原料の検討、バイオ炭の最終用途、適格性など)
方法論および炭素認証基準(すなわち登録)の差異と特徴
読者自身のバイオ炭プロジェクトの作成に必要なステップに関するガイダンス(例:排出量の算定、モニタリングの手順、炭素に関するプロジェクトの登録の必要条件)
同マニュアルは、バイオ炭市場に対する障壁を取り除くことを目的とし、プロジェクトの開発者がカーボンファイナンスによるバイオ炭プロジェクトを立案したり、出資者がバイオ炭によるカーボンクレジットの基本的な前提を理解したりするために必要なすべての情報を簡単に入手できる一つの文書に集約しています。
プロジェクトの開発や出資を考えている人は、バイオ炭についてさらに学ぶことができ、炭素除去ユニットを発行するための必要条件に関して、さまざまな炭素認証基準を比較する方法や、各認証基準がバイオ炭にクレジットを発行するプロセスについて知ることができます。
バイオ炭の開発者や出資者は、このガイドをカーボンファイナンスの世界に入る足掛かりとして活用し、これからの活動に関して十分な情報を得た上で決定を行うことができます。
バイオ炭の生産に関する活動を設計できたら(例:技術、原料の量と種類、場所、使途など)、このマニュアルにあるマトリックス図によって、事前に最適な炭素認証基準を選ぶことができます。選択した認証基準と方法論が複数ある場合は、それらのルールと必要条件とともに、このマニュアルの発行以降に起こる可能性がある変化についても細部まで評価する必要があります。HAMERKOPのような専門的なコンサルタント会社や、認証基準自体に連絡をとって、プロジェクト特有の質問の答えを得ることも有益です。
バイオ炭プロジェクトの成功には、廃棄物管理、肥料の削減、エネルギー発電プロジェクトとして機能する多用途性があることや、個人や地元の環境に活動と特徴を合わせること(例:多くの熱エネルギーを生む高カロリーの原料を使う場合は、コーヒー豆の乾燥などにエネルギーを活用できる)が必要です。
また、バイオ炭が地元で使われる場合は、重要な炭素除去のツールになりますが、バイオ炭や原料を長距離輸送しなければならない場合は、プロジェクトによる環境への好影響は減少してしまいます。
このマニュアルには、開発者、出資者、関心のあるステークホルダーが最高クラスのプロジェクトの主要な特徴を理解できるように、各炭素認証基準や登録に適した原料や、読者が生産しているバイオ炭が到達すべき基準などに関する質問への答えが示されています。
<参照情報> Launch of the Biochar Manual for Carbon Removal
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