世界最大の化粧品会社であるロレアルグループ(本社:パリ)は、2023年4月20日に「自然再生のためのロレアル基金」の新たな助成先として、NetZero、ReforesTerra、Mangroves.Nowの3社を発表しました。この3社は土壌中の炭素捕捉、森林再生、マングローブの再生に関する革新的なアプローチと、環境と地域社会に広範かつポジティブな影響を与える可能性が評価されて選出されたものです。
特に、フランスの気候変動ベンチャー企業であるNetZero社は、カメルーンやブラジルなどの熱帯地域で農業残渣をバイオ炭に変換し、大気中の炭素を長期にわたって除去する技術に特化しています。バイオ炭は、劣化した土壌の改良に利用できる安定した汚染のない炭素で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)により、地球の大気から毎年10億トンから20億トンのCO2を除去する可能性がある実行可能な解決策と認められています。
2022年に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)では、地球の100万もの種が絶滅の危機に瀕し、地球表面の75%が大きく改変されていると報告されました。ロレアルは、これまでに2,200万ユーロを投じ、劣化した土地やマングローブの再生、海域や森林の回復を支援してきました。
ロレアルはこの基金を通じて、IPCCからの生物多様性保全に対する世界的な協力強化の呼びかけに応え、自社のバリューチェーンを超えた生物多様性への長年の取り組みを加速していくとしています。今回の助成対象プロジェクトは、デューデリジェンスに基づきビジネスモデルの準備、経済的実行可能性、ポジティブな環境・社会的影響などの主要基準に基づいて選定されました。
「自然再生のためのロレアル基金」は2020年に設立され、インパクト投資に5,000万ユーロを拠出し、自然資本投資のパイオニアであるナティシス・インベストメント・マネージャーズの子会社、ミローヴァ・ナチュラル・キャピタルが管理しています。この取り組みは、地球の生物多様性を回復し、豊かな生態系を保護することを目指しています。
<参照情報>
L'Oréal fund for nature regeneration accelerates biodiversity preservation efforts https://www.loreal.com/en/press-release/commitments/loreal-fund-for-nature-regeneration-accelerates-biodiversity-preservation-efforts/
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